Q1 こんにちは!今日はインタビューよろしくお願いします。
まずは、マルケ州の紹介をお願いします。
イタリア中部アドリア海沿岸に位置し、縦に長い州がマルケ州です。州都アンコーナは真っ青なアドリア海に面し、静かで美しい“ルンゴマーレ”と呼ばれる長い海岸があります。ヨーロッパの中でも屈指のリゾート地として知られ、多くのイタリア人やヨーロッパの人達が夏のバカンスを楽しんでいます。マルケの海岸は環境や安全管理などの基準を満たした海水浴場の国際的な環境認証ブルーフラッグ(伊名バンディエーラ・ブル)の認証も受けているんです。また、内陸に入れば穏やかな丘陵地もあるので自然豊かな州でもあり、東西南北違う文化が点在し、多種多様なお料理も楽しめます
Q2 連さんとマルケ州のつながりを教えてください
マルケ州イエージにあるスローフード協会が設立したItal.Cook(イタルクック)にイタリア伝統料理を学ぶ為に行ったのが、最初のマルケとの出会いです。2か月学校に通い、その後、ヴェネト州で4か月過ごし、またマルケに戻りました。
Q3 マルケに戻ろうと思った魅力はどんなところですか?
マルケの料理が美味しかったんです。学校では20州全てではないですが、主要な州の伝統料理を学ぶなか、マルケ料理の先生が作るお料理が食べていて疲れない料理で、本当に美味しかったんです。パスタ料理もとてもユニークで、昔貧しい土地だったこともあって、小麦100%だけで作る事ができず、そら豆の粉や、栗の粉をいれたりしたりするので、他の州にはない魅力があります。そして、そこから1年マルケで過ごしました。
今回取材をお願いしました連久美子さん
Q4 沢山の州を渡り歩く事もできたけど、なぜマルケに1年過ごそうと思ったの?
丁度、戻った時、通っていた学校のマルケ料理を教えてくれる先生がお店を開くというので、そこで働く事になり、気が付けば1年マルケで過ごしていました。やはり、1年の季節を通して同じ場所を見ないと、その場所を知っているとは言えないな。と思う気持ちがあったんです。そしたら、自然とマルケにはまっていました。料理や、ワインももちろん魅力的なんですが、とにかくいい人が多いです。私がマルケの皆さんにして頂いた事を、逆の立場になったときに出来るか。と思った時に、本当にマルケの人達は熱い想いを持った、優しい人達が多い事に気付きました。その人達がいる事も私にとって大きな魅力だと思います。
Q5 マルケ州おすすめの街、見どころや観光スポットはどこですか?
有名な所は15世紀に芸術の中心だった世界遺産ウルビーノという街が有名でもちろんお勧めですが、マルケには小さな街が点在し、ゆったりとした時間を楽しめます。マルケの紹介でもお話しした、アンコーナの美しい海岸沿いはぜひマルケにしかない景色ですので、訪れてほしいと思います。マルケ北側に位置する伝統工芸テラコッタ(陶器)が有名なフラッテ・ローザ。カトリック巡礼者の聖地でもあるキリストが暮らした『聖なる家』が存在する歴史的にも興味深いロレート。そして、街の可愛さに魅了され、ゆったりとした時間が流れるアスコリピチェーノ。みなさんに触れて、感じてほしい街ばかりです
Q6 マルケ州の郷土料理を教えてください。またそれを食べる事のできるレストランのおすすめもあれば、教えてください
南北に長く、海も山もあり、使う食材も多種多様で、様々な料理が楽しめるのもマルケ州の魅力の一つです。海側で楽しめるお料理はやはり海の幸が中心となり、イタリア各地海岸沿いに行けば、魚介の煮込み料理が存在します。マルケでは『ブロデット』と呼びます。エミーニア・ロマーニャ州に近い北側では、パスタにパルミジャーノ・レッジャーノを練りこみ、ブロードに浮かべる伝統出来な料理パッサテッリ。アブルッツォ州に近い南側では、オリーブの実にひき肉を詰め込んだ『オリーヴェ・アッラスコラーナ』。マルケ料理の郷土料理として名高い『ポタッキオ(ウサギの煮込み)』や、ラザニアの原型とされる内臓などを使った『ヴィンチスグラッシ』などがあります。そして、イタリアの有名ブランド牛と称されるマルキジャーナも、ここマルケのおすすめ食材です。
マルケ州は観光向けではないレストランばかりなので、基本どこで召し上がって頂いても楽しんで貰えます。おすすめのレストランは、セッラ・デ・コンティという町にある、私が働いていたリストランテ「コークス・フォルナチス」ですね。マルケの料理を提供しているので、間違いなくマルケ料理は食べられます。とにかく、マルコ・ジェコメッリシェフの料理は何を食べてもおいしいです。B&Bもあるので宿泊もどうぞ!ただ、シーズンオフは週末しか営業していないので、お気を付け下さい(笑
Q7 ワインのイベントなので、もちろんおすすめワインを教えてください。
これ、困りますね(笑 仲良くしているワイナリーの人達を想うと。
そうですね。マルケの中で数多くの白ワインを作るヴェルディッキオ種はお勧めです。フレンドリーなワインから、30年に耐えうるワインを産みだす事の出来るイタリアの白ワインの中では類を見ないが誇るべきマルケのブドウ品種だと思います。
そして、ビアンケッロ種から造られる白ワインも、軽いお料理に合うタイプや、マルケのウサギ料理に合うしっかりとしたタイプまで楽しむ事が出来るワインもお勧めです。
Q8 連さんのお店“ラ チチェルキア”について教えてください
靭公園の近くでお店をやっています。店名になっているチチェルキアとは、私がマルケで働いていたお店のある街セッラ・デ・コンティ特産の豆の一種です。日本名では『連理草(レンリソウ)』と呼び、私の名前『連(むらじ)』の文字も入っているんです。お料理はもちろんマルケの料理、そしてマルケのワインを楽しんで頂けるお店です
お店情報
・店名: Osteria La Cicerchia
・所在地:大阪市西区京町堀2-3-4 サンヤマトビル 3階
・アクセス:大阪市営地下鉄「肥後橋駅」7番出口から徒歩約8分
・TEL:06-6441-0731
・営業時間:11:30~14:00(LO)、18:00~20:30(LO)
・定休日:不定休
8)アヴィノフェスタへ参加する方々に一言お願いします。
マルケよいとこ一度はおいで!
<プロフィール>
【連久美子(むらじくみこ)】
東京「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」で3年働いた後、長野で農業を体験。スローフード協会が設立したItal.Cook(イタルクック)にイタリア伝統料理を学ぶび、マルケの食文化に魅せられ、現地のリストランテで1 年半修業。帰国後、ソムリエ、シニアソムリエの資格を取得し、12 年5月Osteria La Cicerchiaをオープン。
<マルケまでのアクセス>
ローマ~アンコーナ
電車ユーロスターで3時間
インターシティで3~4時間
関西空港からドバイ経由ローマ、ボローニャへが便利
エミレーツ航空で快適な空の旅をお過ごしください
インタビュアー 石垣亜也子