イタリア全土で同じように、ピエモンテでもアペリティーヴォ文化(食前の前にちょっと一杯!という文化)が栄えています。
友人との待ち合わせはBarでアペリティーヴォ
レストランへ行く前にアペリティーヴォ
山の料理で味付けが濃いいピエモンテではアペリティーヴォが前菜になることも多々。
ワインの品種も多くなると、おつまみの選択が困るとおもわれるのですが、
ピエモンテでは、グリッシーニを片手にサラミやチーズを合わせています。
そして食前ワインとして選ばれるのが、白ワイン!となり始めたのはココ最近の話なのですよ。
かつて、この地域の白ワインはすべて甘口ワインに醸造されていました。
モスカート種はもちろん、以前紹介しただアルネイス種も。
このランガ・ロエロ地区といえば、やっぱり赤ワイン。食前酒は赤ワインからスタート。
現在は醸造技術が発展し、どの種のワインでも軽めや重めと作り手の意思で色々とつくれるようになしました。
しかし昔は違います。醸造技術が発展する前に食前、食中に大活躍していたブドウが・・・・・・・・
ドルチェット種です。
果実味と柔らかいタンニンときれいな酸と。。。。いってしまえば大きな特徴がないこのドルチェット。
でもシンプルで食事を選ばず、デイリーワインとしてピッタリだったそうです。
畑仕事が忙しくなる春先から農家のおじさんはお弁当(パンとチーズとサラミ)を持って畑で食べることがおおかったそうです。もちろんドルチェットワインの瓶を持って。
家に帰ってきて、ご飯が出来るまで一杯(日本のビールのような感覚)。もちろんドルチェットワインを一杯。
気を使わず、お昼から、食前から楽しめる一杯だったようです。
しかし、ピエモンテのとある地区ではこのドルチェット種をデイリーワインとしてではなく、大切な一本として扱っているんです。
バローロ地区のお隣にドリアーニ地区があります。
ここでは南向きに日当たりのいい畑にドルチェット種を植えて、長期熟成型ドルチェットを伝統として生産してきました。この地にはまだ森が多く残り、牛やヤギが放牧され、チーズやお肉料理が充実している地区です。
バローロが注目をされ始め、この地域の日ともネッビオーロ種が気になったのですが、私達のこの土地のアイデンティティはドルチェット種。と伝統を守ってきたそうです。
確かにこのドリアーニ地区で出来るドルチェットワインは寝かして飲みたくなるような魅力のあるワインです。
機会がありましたら、是非、ご賞味ください。