【フランチャコルタについて】
1995年にDOCGに昇格した瓶内2次発酵で作られるスプマンテ(イタリア泡ワインの名称)ロンバルディア州ブレーシャの北側に位置する場所で作られます。
日本では、こういった気泡の入ったワインを全て『シャンパン』という傾向がありますが、これは、シャンパンを作る人達、フランチャコルタを始め、部瓶内二次発酵で作る生産者にとって、良い印象を与える物ではありません。
シャンパンという名称は、シャンパンとはフランスのシャンパーニュ地方で
瓶内二次発酵により作られるワイン以外はシャンパンと呼ぶ事はできません。
フランチャコルタという名称は、フランチャコルタ指定の地区で
瓶内二次発酵により作られたワインのみをフランチャコルタと呼ぶ事が許されています。
続いて『瓶内2次発酵』とは何かをお話したいと思います。
①【Vemmdemia 収穫 】
フランチャコルタは
シャルドネ / ピノ・ビアンコ / ピノ・ノワール
の使用が認められています。
今年は8月3日からフランチャコルタの収穫は始っています。
早いですね。
②L'assanblaggio dei vini base ベースのワインを作ります
葡萄をアルコール発酵させベースのワインを作ります。
この時のベースのワインのアルコール度数は、
フランチャコルタの場合9度以上。
*アルコール発酵とは
糖分が酵母の力によって
アルコールと二酸化炭素とに生成される
③L'addizione di liquer de tirage 糖と酵母を瓶中に入れます
瓶の中でもう一度発酵させる為、糖と酵母を瓶の中に入れます
糖は、葡萄の果汁(モスト)を使う所もありますが、蔗糖を使う
所もあります。
④Affinamento sui lieviti 澱と一緒に寝かせる
酵母の働きで、瓶の中でもう一度アルコール発酵はされます。
瓶の中は密閉されているので、発酵した時に出る二酸化炭素
は液体の中に溶けていきます。
その二酸化炭素が後の泡となってグラスの中で弾けます。
酵母菌は役目を終えると、寝かせた瓶の下に落ちてきます。
左記写真は分かりやすく上から光をあてて展示してくれています
この熟成期間は法律で決まっており、
フランチャコルタは18か月澱と触れさせます
ミレジマートは30カ月
この澱を取り除く為に次の工程に入ります。
⑤Remuage 動瓶
発酵過程に出た澱を取り除く為にする工程。
ピュピトルという穴の空いた板に、瓶の口をしてにして差し込み
毎日少しずつ瓶を1本ずつ訳8分の1ほど回しながら、
瓶口に澱を集めていきます。
少し画像が悪いですが、
左記の写真は瓶口に澱が集まった様子です。
このワイン達が熟成し、動瓶されている空間は、
年間通して10度~12,3度の所です。
人の手で、一つ、一つ行う作業は、本当に重労働。
この作業は作り手によっても違いますが
3~6週間かけて行います。
コン、コン、コン、コン、と瓶を動かす音が、
リズミカルに瓶を動かす音が地下に響き渡る様子は、
瓶内2次発行ならではです。
現代は左記写真の様に、
この動瓶も機械化されている所も存在します。
⑥Sboccatula 澱引き
瓶口に溜まった澱を取り除く為、左記写真の様に、
瓶口を-20度の冷却駅の中に漬け、瓶口に集まった澱と
瓶口の液体を凍らせます。
中の気圧を利用して、凍った澱を外へ押し出します。
その時、泡と一緒に液体も少し出てしまいますよね。
それを補充するのが次の工程です。
⑦Dossaggio 補酒
澱引きの際に減ってしまった液体を補充します。
門出のリキュールという言い方もします。
作り手によって、補充するワインは様々ですが、
その時の補充する際に加えるワインに糖を溶解させ、
辛口タイプ、少し甘口タイプなどが決まってきます
⑧Tappatura finale 打栓
最後にコルクでしっかりと蓋をします。
瓶内二次発酵の瓶は、最初にベースのワインが入った段階の瓶が
私達の手元に届くワインの瓶が同じです。
強度という所も重視しなくてはいけないので、約12気圧までは
耐える事の出来る瓶を使用します。
⑨Affinamento 洗練させる
その後、フランチャコルタは瓶の中で熟成をさせます
法律上、瓶の中で7カ月(澱と熟成させた日数を合わせると25カ月)
ミレジマートも同じく7カ月(トータル37カ月)
そうして、ようやくラベルを張り市場にデビューします。
とてつもなく、長い道のりを経て、
私達の手元に届くフランチャコルタ。
ミラノワインコレクションでは、
多くの人達の心を魅了するワインとなってくれるでしょう。