ピエモンテの郷土パスタはものすごくシンプルなんです。
前菜編でお話したように、母の味がたっぷり。
じゃがいもをこねただけのニョッキ。
鶏は卵を毎日産み落としてくれるので、卵黄たっぷりのタヤリン(手打ち麺)。
お肉のいらない部位と野菜を詰め物にしたアニョロッティ デル プリン。
定番ソースは
バターとセージのソース。
残ったチーズを溶かしたチーズソース。
玉ねぎたっぷりのラーグーソース(ミートソース)。
全て、貧しい生活から生まれた最高においしいパスタです。
かつて貧しかったときは、ソースを作らず、ゆでただけのアニョロッティを食べていたそうです。
でもお肉と野菜がおいしくて、それだけでもいいおつまみになりますよ。
もちろんソースがあったほうがもっとおいしいですが。
マンマのアニョロッティ作り。
棒状にパスタで包んだを指で摘ねって(=つねるに近いです)、つねったところをパスタカッターで切って詰め物パスタを作っていきます。
「摘む・つねること」をピエモンテの方言でプリンといって、パスタの名前に使われたそうです。
モチモチしたアニョロッティー デル プリンとバターとセージのソースとの相性は最高です。
タヤリンはこのアニョロッティの生地より卵黄を多く入れて、歯応えのある生地を作り、包丁で細切りにして出来上がり。
どのレシピも家庭によって違う母の味です。
バターやチーズのしっかりした味わいのパスタはバルベーラ種のワインにぴったり。
綺麗な酸味と厚みが、パスタのおいしさをどんどん引き出してくれますよ。
(2013.11.20 難波 恭子)